第1幕
ここは極悪非道のギャング集団「アルジェ」の事務所。組織のボス・ムスタファは妻エルヴィーラに離婚を突きつけ、手下に「金髪美女のイタリア人女性を探してこい」と命令する。
その場に居合わせなかったイタリア人の青年リンドーロは、ひとり故郷に残してきた恋人を懐かしんでいる。そこに現れたムスタファから、彼の(元)妻と結婚するよう命令されるのだった。
同じ頃、イザベッラは所用で「アルジェ」の近くに来ていた。しかし同行していたタッデーオの手際の悪さで遅刻確定済み。途方に暮れていると、ムスタファの手下たちが現れ、ムスタファの出した条件に合致したイザベッラ(とタッデーオ)は連れ去られてしまう。
そしていよいよムスタファとイザベッラの初対面。連れてこられたイザベッラと、そこに居合わせたリンドーロはびっくり!2人はかつて故郷で恋人同士なのであった。
ムスタファはイザベッラをいたく気に入るが、イザベッラのあまりの気の強さにタジタジ。事態を掴めない場は大荒れとなり幕。
第2幕
リンドーロとイザベッラは、手下たちの監視の目をかいくぐり密会に成功。勝手に姿を消したリンドーロにカンカンに怒っていたイザベッラだったが、リンドーロの弁解を聞き納得。彼女は「良い考えがある」と言って彼の手を取り走り出す。
イザベッラの指示通り、リンドーロはタッデーオと結託して、ムスタファを「パッパターチ」に任命する。パッパターチとは人生を謳歌する者に与えられ、その者は食って寝て寝て食う…というデタラメな称号だが、ムスタファは信じ込むのだった。
リンドーロ、タッデーオ、そしてイザベッラはいよいよ脱出作戦を実行する。まずムスタファをパッパターチに任命する”儀式”を行い、たくさん飲ませ食べさせ、そして何も言わないよう仕向け、その間に脱出する…という作戦だった。事態に気づいたムスタファだったが、時すでに遅し。妻エルヴィーラに謝罪し許され、イザベッラたちは帰国の途に就き大団円となる。